2020年度 準グランプリ賞品紹介①WEEFINE WF リングライト1000

 

この記事では、株式会社フィッシュアイ様から協賛していただいた、フォトコンテスト準グランプリの賞品「WEEFINE WF リングライト1000」について上出から紹介する。

(有限会社イノン様からも準グランプリの賞品を協賛していただいているが、そちらについては別の記事で紹介する。)

 

早速だが、内容に入っていきたい。

今回、この記事を書くにあたって、「WEEFINE WF リングライト1000」をお借りして実際に試してみた。

 

というのも、実は僕自身、水中写真のライティングはほとんどストロボに頼っていて、ライトは限定的な用途でしか使っていない。

そのため、これまでリングライトというものを使ったことがなかった。

さらに言うと、リングライトというのはコンデジに使うものであって、一眼レフで撮影している人には関係ないものだと思っていたのである…なんだか申し訳ない。

 

ライトでの撮影に慣れていない僕が魅力をしっかり伝えられるのかは甚だあやしいが、そうも言っていられないので、まずは3本潜って「WEEFINE WF リングライト1000」を試してみた。

 

f11  1/200秒  ISO250  (SMC-1使用)

 

今回撮影に使用した機材は、以下の通りである。

 

・Nikon D850

・AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED

・WEEFINE WF リングライト1000

・nauticam SMC-1(必要に応じて。使った写真にはその旨記載あり。)

 

普段使っているストロボは使わず、リングライトだけを用いて撮影した。

以下、それぞれの被写体ごとに、僕自身がどのような効果を期待して使用したのか、また、どんな感触が得られたのか、について紹介していきたい。

掲載している作例については、全てRAWデータで保存し、Lightroomで編集・現像を行っている。

 

※製品の詳しいスペック等は、販売元のページをご参照いただきたい。

株式会社フィッシュアイ: WEEFINE WF リングライト1000紹介ページ

 

■ダルマハゼ

f4.8  1/250秒  ISO800

 

サンゴの隙間で暮らしている生き物など、狭い所にいる被写体を撮影するのは難しいと感じている方も多いのではないだろうか。

おそらく、難しいと感じる要因の一つはライティングだろう。

狭い隙間にストロボでうまく光を入れることができず、どうしても被写体が明るくならない…誰でもそんな経験をお持ちのはずだ。

 

僕自身も、普段はストロボ2灯を使ってどうにかこうにか光を入れようと試行錯誤している。

そして、この時に意識しているのは、できるだけストロボをレンズポートに寄せて、真っすぐ光を入れてあげるということだ。

 

変な言い方だが、これは「リングライトみたいなイメージでストロボを取り回している」とも言える。

 

「リングライトというのは、狭い所に光を入れるという意味では、理想的なライティング機材なのではないか」

僕がリングライトを使う前に考えていたのはそういうことだ。

 

結論から言うと、その考えは間違ってなかったように思う。

特に何も考えずとも、被写体にも周りのサンゴにも自然に光を回すことができた。

 

光を嫌う被写体の撮影には不向きなので、これだけをもって「リングライトがあればストロボはいらない」ということにはならないが、正直「ストロボの位置や角度を調整しなくていいのは楽ちんだな」と感じた。

時間も運動も制限された水中撮影という特殊な環境では、やることをできるだけ減らすというのは重要な考え方である。

 

■クマノミ

f5.6  1/1000秒  ISO2500

 

ひとまずリングライトの特徴が生かせそうな環境でのテストが終わり、期待通りの効果が得られた。

ダルマハゼのように、狭い所に住んでいる被写体には、やはりリングライトは有用である。

 

では、リングライトが最適かどうかは別として、他のよくあるシチュエーションでも「WEEFINE WF リングライト1000」は使えるのだろうか?

今回は「動きの速い生き物の代表」として、クマノミの赤ちゃんにお付き合いいただいた。

 

f5.6  1/800秒  ISO2000

 

作例をご覧いただいた上で判断してほしいが、僕自身は問題なく撮影できたと思っている。

ストロボを使わない分、シャッタースピード(SS)を速くして被写体の動きを止める必要があるのだが、逆にSSさえ速くさえすれば普通に撮影できるという印象だ。

リングライトがフォーカスライトの役割も果たしてくれるので、ピントも合わせやすい。

 

ただ、SSを上げた分、ISO感度もかなり上げざるをえなかった。

この点はライトの光量が大きくなればある程度解決するので、動きの速い被写体をリングライトのみで撮影するには、上位機種の「WEEFINE WF リングライト3018」を選択した方が良いのかもしれない。

ちなみに、この「WEEFINE WF リングライト3018」は、グランプリの賞品であるカタログギフトから選ぶことができるということを付け加えておこう。

 

■アカメハゼ

f11  1/250秒  ISO250  (SMC-1使用)

 

実はこの「WEEFINE WF リングライト1000」、SMC-1などクローズアップレンズの先端にも装着することができるというのだ。

これは知らなかったし、驚きである(そもそもリングライトのことをほとんど知らなかったのだが…)。

 

SMC-1を使うと、100㎜クラスのマクロレンズだけで撮影した場合に比べて、ワーキングディスタンスが短くなる。

※詳細はSMC-1の紹介ページをご覧いただきたい

 

ワーキングディスタンスが短くなると、つまりレンズの先端と被写体との距離が近くなると、ライティングが少し難しくなるように感じるのは僕だけだろうか?

ストロボの位置と角度を慎重に調整しないと、光がレンズにけられてしまったりして、被写体に綺麗に光が回らない。

 

その点、リングライトは位置や角度の調整は必要ないし、発光リングが内側に傾斜しているため、SMC-1と合わせて使うには相性がいいように思えた。

 

f11  1/200秒  ISO320  (SMC-1使用)

 

結果的に、望んだ効果が得られたように感じている。

何も考えなくても被写体に光が満遍なく当たり、とにかく楽ちんだった。

 

特に生き物の正面顔を撮影する際、ストロボ2灯のバランスが悪いと、顔の左右どちらかに影ができてしまうことがある。

あえて陰影をつけるなら話は別だが、顔に影ができると可愛さが半減してしまう。

リングライトを使えばそのような失敗を防げるので、その意味でも有用に感じた。

 

f11  1/500秒  ISO500  (SMC-1使用)

 

ストロボを使おうがライトを使おうが、その光源自体が生き物の目に写り込むことがあり、これはキャッチライトと呼ばれている。

一般的には、キャッチライトが入ると被写体の表情が生き生きと見えるので、これ自体はポジティブなことだ。

 

リングライトはその形自体がユニークであるため、キャッチライトの形も通常のストロボやライトを使った場合とは出方が異なる。

「どういう形がいい」とは一概に言えないので好みによるが、リングライト特有のキャッチライトが入ることは気に留めておいてもいいかもしれない。

 

 

■クマノミの卵

f9  1/250秒  ISO400  (SMC-1使用)

 

SMC-1と「WEEFINE WF リングライト1000」の相性がいいように感じたので、クマノミの卵でも試してみた。

逃げる被写体ではないし(本当は嫌がっているのかもしれないので、配慮は必要だが…)、僕自身が普段から撮っているためストロボ撮影時との比較もしやすく、テストの締めくくりには最適な被写体だ。

 

結果的には、面白い撮影ができたように感じている。

普段のストロボ撮影時には意図的に太陽光が入らない設定にするが、下の作例は若干太陽光が入ったことによりいつもとは違う色合いに仕上がった。

 

RAW現像で色味を整えたり彩度を上げたりはしているが、カラーフィルターなどの特殊な道具は何も使っていない。

一部の卵が、親クマノミがちゃんと掃除していないことで黄色っぽくなっていたことや、背景にピンクの岩肌があったことなど、いくつかの要素が絡み合っているのだろう。

自分でも想像していなかったようなカラフルな仕上がりになって、ちょっと驚いている。

f9  1/250秒  ISO400  (SMC-1使用)

 

今回は、4種類の被写体で「WEEFINE WF リングライト1000」の効果を試してみた。

少ない作例ではあるが、狭いところに光を入れやすかったり、SMC-1などのクローズアップレンズ使用時にも満遍なく光を回せたりと、その特徴が生かされる場面が多かったように感じている。

 

もちろん、「WEEFINE WF リングライト1000」だけで全ての水中マクロ撮影に対応できるというわけではない。

一眼レフやミラーレス一眼を使っている方にとっては、ストロボとリングライトをどちらもハウジングにつけておくことで、引き出しを増やせるのではないだろうか。

ストロボの光が入りづらいケースで補助光が必要な時や、いつもと違った色合いを出したい場面などで、「WEEFINE WF リングライト1000」が活躍するように思う。

 

一方、オリンパスのTGシリーズなどのコンパクトデジカメを使っている方にとっては、もしかするとこのリングライトだけでマクロ撮影はほぼ済んでしまうのかもしれない。

何といってもこの製品のメリットは「細かい事を考えずに、簡単に光を回せる」ということである。

そういう意味では、まだ水中撮影に慣れていない方にとっては特に、大きな武器になると言えるだろう。

 

ちなみに今回、準グランプリの賞品として「WEEFINE WF リングライト1000」だけでなく、「FIX マグネットアダプターリングRL1000 セット」も一緒に提供していただけることとなった。

このマグネットアダプターリングセットを使うと、オリンパスTGシリーズのハウジングに、ワンタッチでリングライトを装着できるようになる。

「着脱に手間取っている間に被写体が逃げてしまった」というような事態を避けられるので、こういった細かいところのシステムを整えることも重要だ。

 

今日は、「WEEFINE WF リングライト1000」の活かし方について、僕なりに紹介してきた。

最後までこの記事を読んでいただき、本当にありがたく思う。

少しでも皆さんの参考になれば嬉しい。

 

 

写真・文:上出 俊作