2020年度 グランプリ賞品紹介②水中ストロボ Z-330

賞品レビュー第2弾!イノン製ストロボ「Z-330」

この度開催されるジャングルジムには2つの大きな水中撮影機材メーカー様のご協賛をいただいている。

そして、グランプリに選ばれた作品には2大機材メーカー双方の豪華な賞品が贈られることになった。

この記事ではそのうち、有限会社イノン様より贈られるストロボ「Z-330」についてゴリラハウス代表、石野が紹介する。

最後までご笑覧いただければ幸いである。

 

Z-330を端的に表すと、

「こんなにも広く、遠くまで光が届くストロボは今までなかった。」に尽きる。

光の強さを表す数値(GN)は、現在発売されている水中ストロボの中で最強タイの33であるが、

Z-330最大の特徴は、光学設計されたドームレンズが可能にする最大水中照射角度110度という驚異の広さである。

光量を減退させてしまう拡散板なしの状態でこの広さというからなおさら凄い。

ただ広いのではなく、ストロボの中央と周縁に光の差が少ないのだ。

これは撮影する側からするとかなり嬉しい性能である。

例えばギンガメトルネードなど、大きな群れを撮影する時。

 

浮遊物が多い水中では大きすぎる群れ全体に光を届かせることが難しい。

 

この大問題を、Z-330の光は簡単に解決してくれる。

中央と周縁の光量差がないのでフル発光時に画面の中央だけが明るいということがなくなるのである。

 

ソフトフィルターを付けると、僅かに減光するものの光量差が限りなくゼロに近くなるので更にオススメ。

ここまででかなりこのストロボのすごさがお分かりいただけたと思うが、さらに画期的なのがストロボライトカッターというレンズの周りを360℃くるくる回るツバだ。

これ、多くの方がどう使っていいか分からずあっちへこっちへ向いていて残念ながら無用の長物となってる場合が多い。

ちゃんと光の届き方を理解した上で使いこなすと、これは最強の武器になる。

部品の名称やイノン社のホームページにある商品説明欄から読み取るに、”遮光”が当初の目的であったと推察される。

確かに私も、ベラやブダイ等の大型魚、あるいは上昇産卵行動など、遠距離からマクロ撮影する場合はこのストロボライトカッターを遮光板として使用する。

ところが、このストロボライトカッター、近接マクロ撮影やワイド撮影時に反射板として使用することによって本領が発揮されるのである。

広すぎる照射角度ゆえに発生する、外側や被写体と反対側に逃げていってしまう光を内側に反射することによって、発っせられる光を効率よく利用することができるのだ。

実はこの反射板としての機能は知る人ぞ知るもので、後になって反射シールというものが発売されたくらいだ。

肝心の使い方だが、私は被写体の180℃反対側にストロボライトカッターを位置させる。

例えば、超近接撮影時には左右の外側、

ワイド撮影時には根に向かって反対側、つまり地面なら上側。

マクロも同様で、地面の上なら上側、

左にある壁なら右側、

右の壁なら左、

天井裏のベニハゼなら下側というように。

 

ストロボライトカッターを使いこなすことができれば、宇宙の彼方まで光が届き、針に糸を通すような繊細なライティングが可能となる。

ライティングに関してお悩みを抱えている方に、ぜひともお勧めしたいストロボである。

見事にグランプリを勝ち取ってZ-330を手にしてほしい。

 

文責・石野昇太