グランプリ👑 坂東啓弘さん
カメラ:Nikon850D
レンズ:Nikkormacro105mm
ハウジング:Antis
ストロボ:YSD-2 × 2
ライト:WFSF1000
◉ 主催者からのコメント ◉
上出:写真を見た瞬間、ドキッとしました。作品の持つ吸引力が圧倒的です。撮影技術も高く、個人的にも文句なしのグランプリだと思います。あえて何かアドバイスするなら、白い部分が少し飛び気味に見えるので、現像で抑えてあげてもよかったかもしれませんね。坂東さん、よくやりました!
石野:ご自身で被写体を見つけられて撮影されたのでしょう。普段からそういうダイビングに慣れていらっしゃるようでしたね。ジャングルジムの趣旨に最も合致している作品です。「目は口ほどに物を言う」とはまさにこの写真のことで、穴の中から片目だけ覗かせている姿から色々なことが想像できそうです。カメラを向けられて、怯えているようでもあるし、恥ずかしがっているようでもある。右側にスペースがあることでストーリー性が最大限に出ています。可憐な目線に釘付けにされた作品でした。
準グランプリ🏆 三宅直人さん
カメラ:NIKON D850
レンズ:AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
ハウジング:SEA&SEA MDX-D850
ストロボ:SEA&SEA YS-D2x2
ライト:biblue AL-1100RAFO
◉ 主催者からのコメント ◉
上出:丁寧に切り取られた作品だなと思いました。奇をてらったり珍しいシチュエーションにこだわらなくても、人の心に届く写真は撮れるということを証明してくれているように感じます。被写体の持つ魅力がストレートに伝わってくる一枚ですね。来年は三宅さんなりに遊び心を入れてみると面白いかもしれません。
石野:めちゃくちゃ具合良くまとまった素敵な作品だと思います。体より大きなイソギンチャクの先端に囲まれているため、魚の小ささがうまく表現ができています。また、右下にある小さなタマイタダキの塊は魚の通り道を作っているようでストーリー性があります。全体として小さな世界を覗き見している感じがめちゃくちゃ出てます。これぞまさにマクロ写真って感じです。theマクロ!
アート賞🎨 加古川舞さん
カメラ:Canon5d mark4
レンズ:100㎜
ハウジング:ノーティカム
ライト:RG Blue
クローズアップ+その他:SMC1
◉ 主催者からのコメント ◉
上出:アングル、構図、フォーカス、ライティング、等々、一つひとつの要素がしっかり作り込まれていて、ずっと見ていられます。イバラカンザシは鮮やかな色が特徴のひとつなのでついつい派手に仕上げてしまいがちですが、彩度を上げすぎず、色味を寒色寄りに振ったことで、静かな雰囲気に仕上がりましたね。
石野:時折「水中写真は答えがない」ていう文言を見かけますが、これは一つのお手本を示してくれているようです。均整の取れた構図、青白い世界に差す赤が目を惹きつけます。こんな風に撮りたい、と思わせてくれます。自然界に存在するありのままの美しさを素直に表現されています。ここからニュっと茶色いうんぽが排泄される瞬間が撮れていたらきっと面白いのに。いや、それだとアート賞は撮れてなかったかな。
ライティング賞 該当者なし
ライティング賞の賞品は以下の
チャレンジ☆1等賞の賞品とさせていただきます。
チャレンジ☆1等賞📷 三浦陽子さん
カメラ:Nikon D750
レンズ:macro nikkor 105mm
ハウジング:anthis
ストロボ:inon Z240
ライト:フィッシュアイFIX NEO 1200 DX Blue
◉ 主催者からのコメント ◉
上出:たまたま水中で撮影しているところを見ていましたが、「何やってるんだろう?」と思っていました。笑 自分自身では到底思いつかない撮影方法、撮ろうと思わないシチュエーションなので、勉強になりました。自分なりの表現を追求していくことの面白さを教えてくれる一枚です。
石野:最高ですね!これはストロボ使ってないのかな。後ろの白い玉ボケは太陽光に照らされたダイバーの泡でしょうか。他の作品が明るくて綺麗なものが多い中でこの一枚だけ暗くて意表を突かれました。月明かりに照らされた丘に天女が降り立ってきそう。そんなことを想像できる厳かな雰囲気に心惹かれますね。独特の作風に、あっぱれ!なんなら人形でも置いしまえば面白いですね
イノン賞📷 平田佳予子さん
カメラ:D810
レンズ:AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G
ハウジング:Nexus D850D810
ストロボ:Z330
◉ 主催者からのコメント ◉
上出:アングルが面白いですね。思い切り下から煽ったことで、ボケが綺麗に作れていますし、余計なものが写っていないので、画面の中がスッキリしています。アカメハゼの目が少し飛び気味なので、もう少しだけストロボの光量が弱くても良かったのかもしれません。
石野:もこもこしている前ボケが雲のようでめちゃくちゃ可愛いですね。飛ばした真っ白が綺麗だし、青と白の比率もちょうどいいです。尻尾が雲の中に隠れてしまっているので、全身を出すか、あるいはもっと隠してアカメハゼの目だけを強調すると面白いです。その場合赤目は白飛びしないように。
◉ 有限会社 イノン様からのコメント ◉
被写体の位置、切り取る角度、前景後景のボケ具合を含めたバランス、まるで雲海のようなツートンカラー、ハイキーにコントロールされたストロボの当て具合など、完成度の高さに驚きました。
こんな写真が撮れたら楽しいだろうなーと思わずにはいられません。
フィッシュアイ賞📷 塚本泰通さん
カメラ: CANON 5D Mark4
レンズ:EF100mm F2.8L Macro
ハウジング:Nauticam
ストロボ:INON s-2000 x2
ライト:RGBlue System03
クローズアップ+その他アクセサリ: Nauticam SMC-1
◉ 主催者からのコメント ◉
上出:良く撮ったなあ!という感じです。正直、人気のサイズよりはだいぶ大きいと思いますが、それでもこんなに綺麗に玉ボケが作れるんですね。こだわりと根性を感じる1枚です。被写体が画面の中を泳ぎ回れるようなスペースがあると、なお良かったかもしれません。
石野:これは脱帽!玉ボケ好きとしては体の模様だけでなく背景にまでうっすらと玉ができていて、ただただ驚きです。ずっと同じ場所で撮影されているのを見ていたので、ここまでこだわりの作品に仕上がって、私も一緒になって嬉しいです。余白の取り方もちょうど良く、画面の中から飛び出してきそうな迫力があります。
◉ 株式会社 フィッシュアイ様からのコメント ◉
ルリホシスズメのホシが美しくタマボケしてて、素敵な作品に仕上がってますね!
若干眼の水晶体にピンが来ておらず、マエピン気味(画面で見る限り・・ですからオリジナルデータでは違うかもしれませんが)なのは、鼻っ面にもちりばめられたルリ色のホシを強調する効果として、十分相殺できると思います。背景もきれいにボケて被写体を引き立てていますね~!
受賞者のコメント
グランプリ:坂東啓弘さん
水中一眼写真を始めたのは上出さんのセミナーに参加したのがきっかけでした。ダイビング歴はそこそこ長いものの、もう一つ水中にのめりこみたいと思い一眼レフを手に取りました。
それ以来どっぷりとはまり、毎週時間をみつけて海に通うようになりました。今回の受賞はラッキーそのものです。普段からほぼセルフで潜っている私は被写体を見つけることは苦労しないと思っておりましたが、自分のフィールドである伊豆の海とは地形も魚も水温も違いすぎました。今回は合計6ダイブ潜りましたが、シャッターは切るも、今一つ心に響くようなシチュエーションには会えませんでした。そんな時に彼(魚)とたまたま目が合いました。夢中でシャッターを切るも数カットのみ、すぐに彼は消えてしまいました。どんな水中写真も一期一会なんですね。水中写真の世界に導いていただいた上出さん、また今回のフォト合宿を開催していただいたジャングルジムスタッフの皆様に感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。
準グランプリ:三宅直人さん
自ら被写体を探し、撮影するという普段と違う環境で苦労しましたが、このような賞をいただかことができ、嬉しいです。ガイドさんの凄さも改めて感じました。主催者の方々、安全管理をしていただいたガイドさん達、船長さん、参加者の皆様、ありがとうございました。
アート賞:加古川舞さん
この度はアート賞に選んでいただきありがとうございます。
コンデジの時から、たくさん撮っていた大好きなイバラカンザシで賞が取れた事がとても嬉しいです!
パソコン音痴の私にとって、編集、作品の提出に至るまで本当にわからない事だらけで諦めかけていましたが、上出さん始め参加者の方にも教えて頂き、提出できたのでそれだけでも沢山の事を学べる機会になり、本当にジャングルジムに参加して良かったなぁと思っています。
今はダイビングが下手で、カメラの事も良くわかってなくて編集もさっぱりだけど来年までもっと練習して、またチャレンジしたいと思います。
チャレンジ☆1等賞:三浦陽子さん
この度は、チャレンジ☆1等賞という、素晴らしい賞をいただき光栄です。
初日からこの海藻の群生に惹かれて、マクロレンズでどう撮れば良いのか悩みました。最終ダイブで群生の下からダイバーの泡が、もうこれしか無いと夢中で撮影しました。
今回自己管理をしながらの撮影で緊張しましたが、良い経験となりました。スタッフの皆さまには心から感謝します。
イノン賞:平田佳予子さん
沢山の素敵な作品のなかからお選び頂きまして、ありがとうございます。
初めはサンゴの隙間に光が回らず青被りしていたのですが、前日夜のセミナーで教わったライティング方法を思い出して試してみたところ、サンゴの中まで光を回せ、「雲」を演出することができました。雲感が伝わったようでとても嬉しいです!運営の方々、サポートしてくださったスタッフの方々のお陰で、終始作品づくりに集中することができましたし、学び多き2日間を過ごすことができました。本当にありがとうございました!
フィッシュアイ賞:塚本泰通さん
この度はフィッシュアイ賞を受賞することができてとてもうれしいです!今回は自分なりに玉ボケをテーマにして被写体探しと撮影にチャレンジしようと思ってジャングルジムに参加していたので、機材としても使わせていただいているFisheye様に今回の作品を選んでいただいてとても光栄です。1日目にルリホシスズメダイを見つけて瑠璃星を玉ボケにできたら素敵だなと思い、ちょうど1日目の夜に玉ボケの話をセミナーで聞くことができたので、それを参考に2日目に再チャレンジすることができました。ジャングルジム、とても勉強になりそして楽しかったです!ありがとうございました。
カメラ:Nikon D750
レンズ:AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
ハウジング:Anthis Nexus D7200(D750)
ストロボ:INON Z240
ライト:INON LF1300-EWf(ターゲットライト)
◉ 主催者からのコメント ◉
上出:こんなシチュエーションがあったのか、と思いました。魚の向きとサンゴの模様で画面の中に斜めの線を引いているのが上手いですね。カラフルな色に仕上げているのがこの作品の面白い所とも言えますし、もう少し控えめでも良かったとも言えそうです。
石野:全体の色の割合を見たときに、赤から緑にグラデーションになっていてめちゃくちゃいい具合にまとまっています。アカスジウミタケハゼが補色の中にいて目立つのがすごい。これ意識してそうしているのならセンスありすぎだし、たまたまなら天才。ストロボ当たってないとか彩度上げすぎとかそういうの置いておいてアーティスティックな感じが素敵です。インスタに上げたらたくさんいいね付きそう。
カメラ:Nikon D850
レンズ:AF-S VR Micro-Nikkor 105㎜ f/2.8G IF-ED
ハウジング:アンティス Nexus N FX D850
ストロボ:INON z-330
ライト:INON LF1300-EWf
クローズアップ+その他アクセサリ:Nauticam smc-1
◉ 主催者からのコメント ◉
上出:アオギハゼの色彩の美しさが強調された1枚ですね。被写体が下に寄り過ぎているように感じるので、構図を見直すだけでこの作品の完成度は大きく変わりそうです。
石野:良く使われる三分割構図というものがありますが、おそらくこの作品は単純にその左下の交点のど真ん中にアオギハゼの目を持ってきたのでしょう。もし、三分割構図に拘るなら左上の方がよかったかもしれません。真ん中に持ってきたり、縦にトリミングしても面白かったでしょう。
カメラ:Nikon D300s
レンズ:Nikon105ミリマクロレンズ
ハウジング:SEA&SEA
ストロボ:SEA&SEA YS-D2
ライト:RGBLUE
◉ 主催者からのコメント ◉
上出:アングルもライティングも良い感じで、素直に可愛いと思いました。トリミング自体は悪い事ではありませんが、ある程度の解像感が残る程度にしておいた方がいいとは思いますよ。
石野:「小さなポリプと同じくらい小さくて可愛い」が撮りたかったのでしょうか。大きさの比較になる一番近いポリプが白飛びしてしまっているのが残念です。サンゴの隙間にいるハゼなどを撮るときはストロボを当てるのが難しいので、近寄るのを諦めるのも手です。周りのサンゴを多く入れてハゼの小ささが分かるようだと可愛くなると思います。
カメラ:NIKON D850
レンズ:AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
ハウジング:Nexus N FX D850
ストロボ:INON Z-330
クローズアップ+その他アクセサリ:NA スーパーマクロコンバージョンレンズ SMC-1
◉ 主催者からのコメント ◉
上出:僕自身があまり生えものを撮らないので、こういう撮り方もあるのかと感心しました。中心だけピントを合わせて、周りをアウトフォーカスにしたのが、この作品のキモだと思います。見過ごしてしまいそうなものでも十分被写体になりうるということを教えてくれる一枚です。
石野:紫、オレンジ、黄色に水色、ポップでとても可愛らしい世界観の作品です。なんとなく中心に目線が集まりますが、少し左にピントが合ってる花があるのが残念。そこもぼかしてしまう、あるいは右下まで入れてピントが合ってる範囲を三角形にする、とか、斜めの範囲でピント合わせるとか。生えものは構図まで意識して撮ることができたら頭一つ抜けた作品になると思います。
カメラ:Nikon D850
レンズ:AF-S VR Micro-Nikkor 105㎜ f/2.8G IF-ED
ハウジング:アンティス Nexus N FX D850
ストロボ:INON z-330
ライト:INON LF1300-EWf
クローズアップ+その他アクセサリ:Nauticam smc-1
◉ 主催者からのコメント ◉
上出:しっかり寄って撮影することで、背景の柔らかいボケが作れています。主役が少し白っぽく見えるので、背景とのバランスを見ながらライティングを調整できるとなお良さそうです。
石野:お手本のような三分割構図の写真です。全部溶かして処理した背景の色がオレンジと紫なので、魚の色合いとマッチしていて全体の雰囲気が良くなっています。あとは腹ビレ全開のタイミングを狙ってみてください。
カメラ:NIKON D850
レンズ:AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
ハウジング:Nexus N FX D850
ストロボ:INON Z-330
◉ 主催者からのコメント ◉
上出:可愛く撮れていますし、ライティングもフォーカスも完璧に見えます。あとは構図や意外性なのでしょうが、必ずしも狙って作り込めるものではないので、とにかくたくさん撮って、たんさんピントの合っているカットを残して、後で面白い1枚を選べるといいですね。
石野:画面内のイソギンチャクがスカスカで寂しいですね。揺れる水中でちょこまかと動く幼魚を追いかけながらうねるイソギンチャクの動きにも合わせるってかなり難しい。そんな中でどちらも綺麗にまっすぐこちらを向いているって逆にすごいです。動きがないので三分割ではなく真ん中に置いても良かったと思います。
カメラ:NikonD810
レンズ:AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
ハウジング:anthis Nexus D810
ストロボ:INON S-2000 ×2
◉ 主催者からのコメント ◉
上出:構図や色使いが独特で、ついつい見入ってしまう作品ですね。どこかを直すというよりは、これはこれで、大きく伸ばして干渉するというよりは、副菜的に他の写真と合わせて楽しめる1枚だと思います。
石野:時々見つかるんですよね、腹ビレが長いクマノミの幼魚の”美人”って。この被写体も、背景の色味と相まってどこか上品な顔つきをしていて”美人”だなーって思います。魚を撮るときはファインダーの四隅にまで意識を広げて尾びれの先端まで切れないように撮影してください。これは堅苦しいことですが基本中の基本です。もし切るのであれば、始めっから切るつもりで、特徴的な美人顔と長い腹ビレだけを撮るようにすると良いと思います。
カメラ:NikonD810
レンズ:AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
ハウジング:anthis Nexus D810
ストロボ:INON S-2000 ×2
◉ 主催者からのコメント ◉
上出:写真のインパクトという意味では、グランプリ作品と肩を並べているように感じています。撮影技術も高く、個人的にも好きな作品です。大きい個体が前ボケになっている点の評価が難しく受賞は逃しましたが、これからもご自身の感性で撮っていってください。
石野:合宿中、参加者たちの話題に最も多く上っていたハマクマノミの幼魚。多くの方が撮影されたと思います。提出された作品の中で唯一成魚と一緒に写っていたことで主催者全員が感心しました。前ボケはとっても難しい要素でして、一見すると幼魚よりも先に目線を奪われるのでかえって煩くなってしまいます。親の一部だけ切り取るなどして主題である幼魚をもっと強調してください。
カメラ: Canon EOS 5D MarkⅡ
レンズ: Canon EF100mm
ハウジング: Zillion
ストロボ: INON Z-330
◉ 主催者からのコメント ◉
上出:これは何の毛でしょうか?面白いですね。珊瑚から毛が生えているのは初めて見ました。なかなか採点に悩む1枚です。サンゴが白飛びしない程度にストロボを調整してあげると、毛にすっと目が行くようになると思いますよ。
石野:白い背景の中にある黒い被写体を撮る時って露出をどちらに合わせれば良いか、すごく難しい問題です。出来るだけ中間を取れるようにストロボの光量と向きを調整すると良いです。編集ソフトで加工することを前提に撮影されるなら少し暗めに撮ってシャドウを持ち上げると良いでしょう。一見強く印象に残る”白飛び”ですが、そこに”色がない”ということなのでなるべく避けるようにしたいですね。
カメラ: Canon EOS 5D MarkⅡ
レンズ: Canon EF100mm
ハウジング: Zillion
ストロボ: INON Z-330
◉ 主催者からのコメント ◉
上出:限られた時間と環境の中で、よく玉ボケを作りましたね。構図も独特で面白いです。万人には伝わらないかもしれませんが、可能性を感じさせてくれます。ストロボの光はもう少し当てても良かったですね。
石野:アサドスズメダイの背景にある白い玉ボケは、根の亀裂から漏れ出てくるダイバーの泡ですかね。”泡を見つけたらとりあえず玉ボケ”なゴリラハウス的にはこういう作品とても嬉しいです。ストロボの向きや撮影距離など、考えることがたくさんあるのでこれを撮るにはかなり苦労されたことでしょう。あっぱれ!前ボケが魚に被らないような位置から撮れるとより良くなると思います。
カメラ:Nikon D750
レンズ:AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
ハウジング:Anthis Nexus D7200(D750)
ストロボ:INON Z240
ライト:INON LF1300-EWf(ターゲットライト)
◉ 主催者からのコメント ◉
上出:手足を広げて、撮られることを喜んでいるように見えます。体がしなった瞬間をとらえられているので、動きも感じますね。色合いや彩度、コントラストを調整すると、より自然な風合いになるように感じました。
石野:背びれと尾びれから鼻先まで繋がる流れがとても印象的です。ヒレナガスズメダイのフォルムが良く活かされています。魚の下にある若干の青かぶりはストロボ光が作った魚自身の影ですかね。ぼかして可愛く撮る場合、左右均等な光を当てて影を消した方がいいと思います。
カメラ:NIKON D500
レンズ:60mm
ハウジング:ノーティカム
ストロボ:INON Z240×2
ライト:INON
◉ 主催者からのコメント ◉
上出:なんだか、山の中?森の中?テーマパーク?というような、不思議な雰囲気ですね。着眼点や感性にオリジナリティを感じるので、あとはどれだけ引き算をして伝わる写真に仕上げられるかだと思います。
石野:これねー!めちゃくちゃ良いシチュエーションのウルトラマンホヤをご自身で見つけられていて、どう撮ったら良いかずっと悩まれていました。きっと撮影者は、開いている花を入れたくてこの画角にしたんでしょう。気持ちはとっても分かるんですけど、思い切ってトリミングした方が主題がはっきりして良かったです。傘を持った森の怪獣の映画のポスターのイメージ!
カメラ: CANON 5D Mark4
レンズ:EF100mm F2.8L Macro
ハウジング:Nauticam
ストロボ:INON s-2000 x2
ライト:RGBlue System03
クローズアップ+その他アクセサリ: Nauticam SMC-1
◉ 主催者からのコメント ◉
上出:玉ボケへの貪欲な姿勢を感じます。構図も独特で面白いです。アングルをミリ単位で調整し、レンズと被写体・被写体と玉ボケになる背景の距離をコントロールできると、よりイメージを作品に載せられるようになりそうです。
石野:ポリプを玉ボケさせるとは、恐れ入りました!この着眼点は驚いたし、今度真似してみようと思います。こんな素敵な素材に気づける撮影者なら、もっと作品としての完成度を高められると思います。もう少し絞る、あるいはハゼとポリプの距離が相対的に近くなるように撮影距離を離すなりして玉ボケが互いに潰しあわないような大きさを探すと良いです。あと、ハゼの位置ですね。そっぽを向いていることが常に悪いと言うわけではないですが、できたら右下を向いていると全体の具合が良くなったと思います。被写体の目線の先のスペースにまで拘ることができれば、もっともっと完成度の高い作品になるはず!
カメラ:Canon 5d mark4
レンズ:EF100mm F2.8Lマクロ IS USM
ハウジング:Nauticam
ストロボ:SEA&SEA YS D2
ライト:RG blue プレミアムカラー
クローズアップ+その他アクセサリ:Nauticam SMC1
◉ 主催者からのコメント ◉
上出:なんだか不思議な生き物?生えもの?ですね。実際に「見てみたい」と思わせてくれる1枚です。フォーカスを合わせる場所を変えるだけで雰囲気の違った作品になりそうです。
石野:扇子のように放射状にピントが合っているともっとよかったですね。揺れる海中で一度に複数の突起の位置まで意識するのは難易度高いと思いますが、ファインダーの隅々まで意識を広げてアングルを調整してみてください。生えものは根気が必要!あと、握力。
カメラ:Canon 5d mark4
レンズ:EF100mm F2.8Lマクロ IS USM
ハウジング:Nauticam
ストロボ:SEA&SEA YS D2
ライト:RG blue プレミアムカラー
クローズアップ+その他アクセサリ:Nauticam SMC1
◉ 主催者からのコメント ◉
上出:見た瞬間に「おっ!」と思わせてくれる作品でした。静止画の中でどうやって動きを出すのかを教えてくれる写真です。背景に何があったのか気になります。撮影技術の高さを感じますし、色の仕上げ方も嫌みがないです。受賞は逃しましたが、個人的には何かの賞をあげたかった1枚です。
石野:後ろでボケているサンゴの模様が流れているように見えることで、まるでワープしているかのような印象を受けます。そう見てみると、左側の白飛びがちょうどワープゲートから出てくる瞬間を演出している、そんなシーンが想像できるなんだか面白い写真です。
カメラ:Canon 7DMarkⅡ
レンズ:EF100mm F2.8LマクロIS
ハウジング:Nexus 7DMKⅡ
ストロボ:S-2000, D-2000
◉ 主催者からのコメント ◉
上出:大きさのコントラストが際立っていて面白いですね。具体的にどんなストーリーを想像できるかと聞かれると困りますが、きっとそれぞれ何かしら想像するのではないでしょうか。目にビシッとピントをもってくることができると、画面の中がその一点で締められますね。
石野:手前と奥で明暗差が生じないように上手くストロボを当てることができています。ただ、奥にある大きなエビの白い模様の存在感が強すぎます。ピントが合っている手前のエビをもっと中央寄りに配置すると主題として活きてきます。その上でエビのサイズ差は、後ろに映り込む「大きな尻尾」だけに切り取っても、対比で十分に表現できたと思います。
カメラ:Nikon D810
レンズ:AF-S VR Micro Nikkor 105mm F/2.8G IF-ED
ハウジング:ノーティカム NA D810
ストロボ: YS-D2J,YS-D1
ライト:Fisheye FIX Neo Mini 500 FS
◉ 主催者からのコメント ◉
上出:写真を見た瞬間ヤドカリのちっちゃな目に視線がすっといくのは、撮影者の意図が明確だからでしょうか。生き物と目線を合わせて撮影しているので、被写体の可愛さが伝わってきますね。構図は工夫の余地があるかもしれません。
石野:サンゴの起伏を乗り越えようとしている可愛らしいシーンです。もっと左から撮影したら右側に高低差が出てきそうです。あるライオンの映画で産まれたばかりの王子がヒヒに掲げられている印象的なシーンがあるんですが、分かりますかね。あんなイメージです。
カメラ:D810
レンズ:AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G
ハウジング:Nexus D850D810
ストロボ:Z330
クローズアップ+その他アクセサリ:SMC-1
◉ 主催者からのコメント ◉
上出:生えもののディテールもさることながら、ポップな背景に思わず目を奪われます。この作品は、どうすればさらに完成度が上がるのか、僕自身も正直分かりません。今のままでも悪くないのですが、1本だけにフォーカスが来るようなアングルを見つけられるとスッキリする気がします。
石野:見事にあそこにあった色を全部入れましたね。生えものを撮るときはいつも以上に構図に注意して欲しいです。ピントが合った2本を垂直にするだけでもだいぶ印象が良くなると思います。
カメラ:SONY α7III
レンズ:SEL90M28G
ハウジング:Nauticam
ストロボ:YS-D2 2灯
ライト:フィッシュアイWF Smart Focus 1000FR
◉ 主催者からのコメント ◉
上出:魚を正面から撮って顔だけにしてしまうのは、個人的には好きです。ピントもシャープで、被写体の特徴が魅力的に表現できています。構図も悪くないのですが、海の青い部分が少し広すぎるような印象ですかね。
石野:しっかり煽ったアングルから撮られているのでサンゴからひょこっと顔を出す可愛らしさがあります。ただ、三分割にしたいなら縦に切って、サンゴの下部まで入れた方がこの写真には適していると思います。タワーを下から見上げている感じを想像してください
カメラ:Canon Eos 7D
レンズ:Canon 60mmマクロ
ハウジング:Nauticam
ストロボ:Inon s-2000
ライト:FIX NEO Mini 1000SWR
クローズアップ+その他アクセサリ:Nauticam クローズアップレンズ SMC-1
◉ 主催者からのコメント ◉
上出:口が半開きになった、可愛い瞬間をとらえましたね。イソギンチャク以外の要素も入れたこと自体は悪くないのですが、右下の白い部分はちょっと存在感が大きいので、アングルは工夫の余地があったかもしれません。
石野:穴の奥にいるものを撮る時って、穴の外と中で露出合わせるの難しい、というか無理に近いですよね。右にある白が飛んでいるのでハマクマノミの周辺だけに切り取ってタマイタダキイソギンチャクの先端との大きさの対比だけに絞った方が良かったかもしれません。
カメラ:Nikon D810
レンズ:AF-S VR Micro Nikkor 105mm F/2.8G IF-ED
ハウジング:ノーティカム NA D810
ストロボ: YS-D2J,YS-D1
ライト:Fisheye FIX Neo Mini 500 FS
◉ 主催者からのコメント ◉
上出:2匹の生物を同じ画面に収めることで、ストーリー性を演出しようとしたのだと思います。いい狙いですね。構図やアングル、フォーカスの位置を工夫すれば、作品としての完成度が上がりそうです。
石野:どちらのウミウシの進行方向も共に閉ざされてしまっています。いっそのこと縦に切り取って左右のスペースを無くしてしまえば「2匹」ということがストレートに表現できると思います。あるいは手前の方にもっと寄って奥の二次鰓の中に入れてしまうとかどうでしょう。
カメラ:Nikon D750
レンズ:macro nikkor 105mm
ハウジング:anthis
ストロボ:inon Z240
ライト:フィッシュアイFIX NEO 1200 DX Blue
◉ 主催者からのコメント ◉
上出:こういう構図のハマクマノミの写真は珍しいので、ついつい何度も見てしまいます。特徴的な3本線も印象的に切り取れていますね。右上の暗い色の部分を切ることができれば、よりスッキリした印象になりそうです。
石野:下から上へ飛び出している感じが出ています。左側を省くか、もっと離れて右と下側にも前ボケを少しだけ入れることができたらより「飛び出している」感じが出たんじゃないでしょうか。また、縞模様が白飛びしないようにするのってとても難しいんですが、少し暗めのライティングをして、ハイライトを落としつつ全体を明るくする編集をするとある程度抑えることができます。
カメラ:Canon Eos 7D
レンズ:Canon 60mmマクロ
ハウジング:Nauticam
ストロボ:Inon s-2000
ライト:FIX NEO Mini 1000SWR
クローズアップ+その他アクセサリ:Nauticam クローズアップレンズ SMC-1
◉ 主催者からのコメント ◉
上出:ミゾレウミウシのキラキラした二次鰓を印象的に切り取れていますね。アングルをもう少しだけ下げると、ウミウシの体部分があまり写らず、より二次鰓を強調できるのではないでしょうか。
石野:ミゾレウミウシの二次鰓って魅力的ですよね。黒い3本線がシンメトリーになるように配置するとより美しさが際立ちと思います。背景に綺麗な色がない場合、黒抜きという手もあります。あと、そういうときに私がよく使うのはバックライト。輪郭にエッジが効いてより一層輝いて見えます。
カメラ:Canon5d mark4
レンズ:100㎜
ハウジング:ノーティカム
ライト:RG Blue
クローズアップ+その他:SMC1
◉ 主催者からのコメント ◉
上出:限られた時間の中でスローシャッターを狙おうとしたことが素晴らしいです。しかも、魚ではなく生えもので狙ったというところにオリジナリティがありますね。構図やフォーカスの位置はまだ工夫できると思いますので、またどこかでチャレンジしてみてください。
石野:スローシャッターに挑戦した作品ですね。先幕シャッターしか出来ないキャノンだと、このように実像の上から残像が流れるんですよね。ガチガチに絞ってストロボを強く焚くことでその感じを抑えることができます。なお、流れ星を書くときに斜線を右に書く人が多いと思いますが、スローシャッターも同じで残像は右側にあった方が具合がいい気がするんですがどうですか。
カメラ:SONY α7III
レンズ:SEL90M28G
ハウジング:Nauticam
ストロボ:YS-D2 2灯
ライト:フィッシュアイWF Smart Focus 1000FR
◉ 主催者からのコメント ◉
上出:イソギンチャクの流れ方が複雑で、日の丸構図なのに動きを感じさせる作品に仕上がっています。余計なものも写っていないので、ポストカードにしたらたくさん売れそうです。さらに時間をかけて被写体と向き合ってみると、面白い瞬間と巡り合えるのかもしれません。
石野:絶妙な角度で構図を使えていて、カクレクマノミに目が惹きつけられます。
前ボケと、被写体と、奥のイソギンチャクと、三段の奥行きを感じさせてくれるので具合よくまとまっているのだと思います。また、奥のイソギンチャクの輪郭がボケていることで躍動感も演出できています。